馬は「乗り方」②

気持ちよさそうに砂浴び中のモモコさん

前回のブログー【馬は「乗り方」①】

 

 

乗り手が、馬にどう乗るか。

 

つまり、どんな姿勢で乗っているのか、とか

どこに体重をかけているのか、ということは

 

取りも直さず 馬の背中のどの部分に負荷がかかっているのか

ということに直接 関わってきます。

 

話は逸れますが

例えば、ある日あなたが出勤したとします。

「今日はここで仕事をしてね!」と

下の写真のような場所をあてがわれたとしたら、

 

あなたは、どんなふうに感じますか?

 

個人的な好みはあるかも知れませんが

「この環境では仕事が捗りそうにない」と感じるのは、私だけではないはずです。

 

 

一方で、もしも あなたが案内された場所が こんな環境だったら どうでしょう?

快適で、やるべきことがサクサク片付きそう。

仕事への意欲も湧きそうな気がしませんか?

 

ライダーの「乗り方」も、馬から見れば

ある意味、職場環境のひとつだと思うのです。

 

「動いてほしい」と、ライダーから指示を受けた時に

「この状況では、それはできません!」と馬が感じていることも

多々ある気がします。

 

ライダーからすれば、

馬が理解していない、とか

気迫が足りない、あるいは力が弱いから馬に無視されている

などと思える場面でも

 

「この環境下で、その任務を遂行することは困難です!」と

馬が無言で訴えている可能性も、無いとは言えない・・・

そんなふうに感じます。

 

実際、レッスンでそういう場面にたびたび出くわすのですが

扶助の出し方は変えずに

乗り方を変えてもらったら馬が動き出す、という経験を何度もしています。

 

乗り方のポイントとしては、一言で言うなら

お尻で乗らずに足で跨ること、です。

 

背中に乗っている重みを支えようと思ったら

足を踏ん張って、動かずジッとしている方が

馬にとっては得策かも知れません。

 

だって、そんな状態で

正反動や駈歩をしたなら、背中にモロに衝撃を受けかねないでしょう?

 

現にいまクラブに居るサラブレッドのモモコさんは、

ライダーの乗り方をみて、

速歩発進の指示に従うかどうかを判断しているような気がします。

 

お尻で背中に乗っていたら

速歩を発進しないばかりか、常歩すら難しくなることもあります。

 

でも、足で跨って乗れたなら!

まるで別の馬に変身して

とても真面目に活発に動いてくれるのです。

 

もしも、馬が動かなくてお困りなら

脚や鞭を強める前に、いま一度 姿勢を見直してみませんか?

新しい発見が得られるかも知れません。

 

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